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卒業設計作品集

大学、専門学校の建築科を横断して、卒業設計の優秀作品を一同に集めて展示。出展者によるポスターセッションや出品作品に関する先発講評会も開催すると同時に、学生ワーキンググループを構成する大学の学生による「スタジオ・ワークス」の発表や特別企画も開催。

第32回 学生設計優秀作品展(レモン展) ―建築・都市・環境―

【大会場に高密度な作品群】
1978年に始まり、今年で第32回目を迎える「学生設計優秀作品展」。数々の卒業設計展も一段落付いた6月初頭、例年のように集大成的に開催された。全国の大学・大学院・専門学校、約55の建築系学科が参加し、それぞれの代表選抜作品が一堂に会するこの展覧会。広い会場は密度の濃い図面と模型で埋め尽された。
3日間の会期の初日は、大学・専門学校卒業制作の優秀作品を決める公開審査が行なわれ、会場は自然と熱気を帯びた。午前中に5名の審査員が展覧会場を見て回り、各自が5作品に投票。得票数の多い順に10作品が優秀作品として選定された。

【リラックスしたなかにも緊張感】
午後からは800名を収容する大講堂で、優秀作品の講評会へ。壇上の中央には模型が置かれ、審査員と10名の発表者が両側に並ぶ配置。5人ずつのプレゼンテーションが前半と後半の2回に分けて行なわれ、それぞれの後にゲストクリティークとの質疑応答が実施された。
各自5分間の発表はスクリーンに映し出されるパワーポイントの内容に沿って解説を進める形式。選出された発表者は、これまで他の卒業展覧会での発表を行ってきた経験のある者が多く、場慣れした感じも見受けられた。しかし聴講者や審査員にはメモを熱心に取る姿があり、会場には緊張感のある雰囲気も漂っていた。

【建築/設計のどこに着目するかが焦点に】
質疑応答の後の公開審査では、審査員各自が気になる点や分析を交えながら討論。熱を次第に帯びていったが、時間の都合で各審査員賞の選定に進み、決定した。
富永氏は「のびのびとした空間で、リアリティがある」石黒案を選定。せんだいデザインリーグの「日本一」賞を獲得した作品でもあった。山本氏は「見たことのない空間で、社会に対して明確なまなざしがある」奥山案、高橋氏は「見て元気になり、普遍化されうるビジョンがある」池田案に決定。藤村氏は「切れ味の良さが印象に残り、設計の可能性を突き詰めることに共感する」として佐伯案、長谷川氏は「勇壮でスケールが大きく、突っ走った感がある」鎌谷案を選定した。審査過程で、経験的に気持ちの良い空間を求めるベテランの建築家と、設計の論理を適用する姿を応援する若手建築家の見方が、そのまま各自の賞に反映されたといえるだろう。



【取材者コメント】
全国の学校から選ばれた作品が一同に介する展示会場は、各展示のスペースが十分に確保され、じっくりと見るには適した環境。学校のカラーや教育方針が感じられるようでもあり、興味深い。出展者は大学での提出から日を経て、パネルを整理し直すなどしているので、各作品は見やすいものとなっていた。会場の中央には「ポートフォリオレビュー」のための展示コーナーも。これは、グラフィックデザイナーや建築家がポートフォリオを審査・講評し、賞を決定するという企画に合わせたもので、学生の企画グループが創意工夫を重ねている様子が感じられた。
(取材・文=加藤純)

明治大学 駿河台校舎 アカデミーコモン2階
(講評会はアカデミーコモン3階「アカデミーホール」)

2009年6月9日[火]~12日[金]
(講評会は6月9日[火])

学生設計優秀作品展組織委員会、レモン画翠

明治大学

(社)日本建築学会、(社)日本建築家協会、(社)日本建築士会連合会、(社)東京建築士会、(社)日本インテリア設計士協会、千代田区、(財)まちみらい千代田

富永譲、高橋晶子、長谷川豪、藤村龍至、山本圭介 [以上、建築家]

全国の大学・大学院・専門学校、約55校が参加し、学校(学部)ごとに1名を選考。

5人×2回の学生プレゼンテーションごとに、ゲストクリティークによる質疑応答を行ない、公開審査で受賞者を決定。

76作品(大学・専門学校 卒業制作)
16作品(大学院 修士制作)
4作品(特別展示「スタジオワークス」)

■作品展受賞者  (※講評会選出の10作品は全てレモン賞受賞)
○レモン賞+各クリティーク賞
富永賞:『Re:edit... Characteristic Puzzle』石黒卓(北海道大学)
高橋賞:『下宿都市』池田隆志(京都大学)
長谷川賞:『LA BIBLIOTECA DE BABEL』鎌谷潤(東京工業大学)
藤村賞:『コンチク ―root architecture/根っこと建築―』佐伯周一(東洋大学)
山本賞:『トウキョウキセイダイドコロ ―東京寄生台所―』奥山明日香(東京藝術大学)
○レモン賞(選出作品)
『続・濹東綺譚』平口なつ子(東京大学)
『おもてとうらのすきま あるいは、その接点』村田加奈子(東京理科大学)
『人の為の森、森の為の建築』後藤侑希(日本大学)
『Porous City ―神田でいきること―』中山佳子(法政大学)
『凹凸 ―新しい学校のかたち―』永田彩(武蔵野美術大学)

■ポートフォリオレビュー受賞者
秋山賞:中澤政文(日本工業大学)
     八代嘉則(金沢工業大学大学院)
小川賞:榮家志保(東京藝術大学大学院)
     Sabine Hansmann(東京藝術大学)